死生観とコスト

在宅ターミナルケアの注意点

 

自宅でターミナルケアを行なう場合には、いくつかの条件を満たしていることが重要となります。とにかく、その患者にとってその人らしい時間が過ごせるかどうかということが一番重要なことになるでしょう。

 

 

例えば、親しい人たちやペットと一緒に過ごせるということや、快適な環境で過ごせること、痛みや苦痛、不安などを感じないこと、その人のやりたいことが出来ること、ストレスを感じないこと、そして宗教上の問題が無いことなどです。

 

 

いずれにしても、患者の負担を出来る限り減らすように環境を整備することが必要となってくるのです。終末期の患者には、肉体的な痛みはもちろん精神的な苦痛や不安が常に付きまといます。こういった肉体的な痛みや精神的な苦痛、不安を緩和させていくことが、ターミナルケアでは重要なことになるのです。

 

 

自宅でターミナルケアを行なう場合には、患者の突発的な苦痛や発作にすぐには対応できないケースがありますので、万が一の時に備えてあらゆる準備をしておくことが大切です。自宅でターミナルケアを行なう場合は、その家族も常に一緒にいることになりますから、患者と共にその家族にも精神的な苦痛が生じることになるでしょう。

 

 

ですから、患者の家族は自宅でターミナルケアを行う時にはそれなりの覚悟というものが必要となります。また、患者が死亡した後には、その家族が一過性の心的外傷後ストレス障害になるケースも少なくないようです。