死生観とコスト

ターミナルケアの問題点

 

がんなどの終末期においては、その病状は確実に進行しているために、その患者はその先に死が待っていることを自覚しています。この時に、患者を苦痛から解放する緩和医療が十分に行なわれていない場合は、その家族も患者と同じような苦痛を味わうことになるでしょう。

 

 

実際のターミナルケアにおいては、患者が延命を希望しないケースや、緩和医療のみを希望するケースの対応が難しいようです。近年ではリビング・ウィルを含めた患者の意思に従うことも重要視され始めていますが、現在のところでは、安楽死や尊厳死に関して、患者の意志が十分に反映されてはいないケースが多いといえるでしょう。また、患者の家族の意思も反映されにくいというのが現状のようであり、リビング・ウィルについても、まだまだ一般には周知されていないという状況のようです。

 

 

また、本人の意思が明確に確認されないまま意識レベルが低下して終末期に入ってしまったようなケースでは、患者は出来る限り長生きをしたいと希望する場合が多いということを前提として、患者にとって最善となるような医療を行うことが良しとされています。

 

 

そして、緩和技術も日を追うごとに向上しているために、現在では多くの患者がその苦痛を和らげることが可能になってきましたが、まだその症状を緩和することの出来ない患者がおよそ10%程度は存在しているようです。